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糖尿病の合併症について

Diabetic complication

糖尿病の合併症とは

糖尿病は、ただ血糖値が高いというだけではありません。それが原因で、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。これらの健康問題は「合併症」と呼ばれ、糖尿病が長期間にわたって管理されていない場合によく見られます。

 

糖尿病自体は目立った症状がないことが多いため、合併症が進行していることに気づかないかもしれません。ただし、血糖値を適切に管理することで合併症の発症を遅らせたり、防いだりできます。

 

既に合併症を抱えている方は、さらなる合併症を防ぐためにリスクについてよく理解しておくことが重要です。合併症のリスクを知ることで、予防策を講じたり、早期に治療を始めたりできます。

糖尿病で合併症が起こる理由

糖尿病は、症状が出ないまま静かに進行し、自分がその状態にあることに気づいていない場合もあります。血液中の糖分、特にブドウ糖の量が増えると血糖値が上昇しますが、これが高くなるまで症状が出ないことが多いため気付けません。

症状が全くないため健康診断で糖尿病が発見されることもあれば、急に症状が現れて糖尿病が判明することもあります。また、糖尿病の合併症である眼や腎臓の問題が最初の兆候となることもあります。

糖尿病の仕組み

私たちの身体は、食べ物から得たブドウ糖をエネルギーとして使います。このブドウ糖を管理するために、膵臓という臓器がインスリンという特別なホルモンを作り出します。インスリンは、血液中のブドウ糖が体の細胞に入ってエネルギーとして使われるのを手伝うホルモンです。これによって、私たちの血糖値は安定した状態を保てます。

糖尿病の方の身体では、このインスリンがうまく働かなかったり、足りなかったりする状態です。そうなった場合、血液中のブドウ糖が細胞に入れず、血糖値が高くなりすぎてしまいます。血糖値が高い状態が長いと、目や足、心臓などの体の部分に悪影響を及ぼし、健康問題を引き起こすことがあります。

高血糖が血管に与える影響

糖尿病によって血糖値が高くなると、身体の中の血管にダメージを与えることがあり、合併症の原因になるかもしれません。

血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、血管の内側の細胞に入り込んでしまいます。そこで、活性酸素というものが作られ、これが血管を傷つける原因です。活性酸素は、細胞を老化させたり、傷つけたりします。

また、ブドウ糖が多いと、細胞のたんぱく質とくっつきやすくなります。これによって、血管の細胞が変わってしまい、うまく働かなくなるかもしれません。この変化が、血管が硬くなったり、詰まったりする原因となり、心臓病や脳の病気などの合併症につながると考えられています。

糖尿病の合併症が日常生活に及ぼす影響

合併症は、仕事や趣味、社会活動にも影響を及ぼすかもしれません。

たとえば、網膜症は視力の低下や失明を引き起こす可能性があり、活動に支障をきたします。腎症で透析が必要になった場合には、時間的な制約や身体的な負担が増加します。神経障害は手足のしびれや痛みを引き起こすため、歩行困難や手の細かい作業が難しくなるかもしれません。

また、心血管疾患のリスクが高まることで、日常的な運動や活動の制限を受けることがあります。感染症にかかりやすくなるため、日々の生活での感染予防にも注意しましょう。生活の質だけではなく、寿命を縮める要因になるからです。

ただし、症状の発症や程度は個人差があり、定期的な検査と適切な血糖コントロールを行っていればリスクを大きく下げられます。

まとめ

糖尿病の合併症は、神経障害、視力低下、腎機能障害の3大合併症が有名かもしれません。ただし、全身のさまざまな場所で、健康問題を引き起こす可能性があるのが糖尿病の怖いところです。また、心臓病や脳卒中などを招く動脈硬化のリスクも高めます。

糖尿病は、目立った症状を示さずに進行することが一般的です。そのため、合併症が進んで初めて気づくかもしれません。日常生活に支障をきたす前に、病気の存在に気づくことが重要です。

血糖値を適切に管理することで、合併症のリスクを減らせます。定期的な検査、治療と血糖値を管理することが重要です。バランスの取れた食事、定期的な運動、十分な睡眠、ストレスの管理が、糖尿病の方にとって健康維持の鍵となります。適切なケアと予防策を講じることで、健康な生活を送ることが可能です。

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