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胃内視鏡検査(胃カメラ)で見つかる可能性のある病気



胃カメラ検査で見つかる可能性のある病気とは何でしょうか?


胃カメラ検査は、胃や食道、十二指腸などの消化器官の状態を直接観察する検査です。

この検査は、病気の早期発見・早期治療につながる重要な検査にもなります。

今回は、胃カメラ検査で見つかる可能性のある病気について、わかりやすく解説します。


胃カメラ検査は、消化器官の健康をチェックするために必要な検査です。

胃カメラ検査で見つかる病気について知り、自分の体と向き合いましょう。




胃カメラ検査とは


胃カメラ検査とは、管状の内視鏡を口から飲み込んで食道、胃、十二指腸の内部を直接観察する検査です。


内視鏡には小さなカメラや光源が付いていて、内部の映像をモニターに映し出せます。

吸引や切除などの治療用の器具も装備され、必要に応じて検査と治療を同時に行うことが可能です。

通常は咽頭麻酔や鎮静剤を用いて行われ、約10~20分程度で終了します。




胃カメラ検査で見つかる病気の種類


胃カメラ検査で見つかる可能性のある病気は、大きく分けて5つに分類できます。


  • がん(胃がん、食道がん、十二指腸がん)

  • ポリープ(胃ポリープ、十二指腸ポリープ)

  • 炎症(胃炎、逆流性食道炎)

  • 潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)

  • その他(アニサキス、裂孔ヘルニア、バレット食道、カンジダ症、粘膜下腫瘍、異所性膵など)


それぞれの病気について、説明します。




がん


がんは、細胞の増殖や分化が異常になって組織に侵入したり遠隔部位に転移する病気です。

多くの場合、自覚症状がないか症状が軽いため、進行してから発見されることが多くみられます。

そのため、早期発見・早期治療が重要です。


胃カメラ検査では、粘膜にできたびらんや隆起などの異常を直接確認できます。

また、異常部位から細胞や組織を採取して顕微鏡で調べることも可能です。

この検査によって、がんかどうかの診断や進行度、型別などの詳細な情報を得られます。



胃がん

胃がんは、胃の内側にある粘膜の細胞ががん細胞に変化し、増殖していく病気です。

早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行しても症状がない場合もあります。

そのため、定期的な検診を受けることが早期発見につながります。


胃がんの症状は、胃の痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。

また、出血することによって貧血や黒い便が出ることもあります。


胃がんの診断は、胃カメラ検査で行われ、がんと疑われる部分の組織を採取して顕微鏡で調べることで確定診断します。



食道がん

食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の細胞が、がん細胞に変化し増殖していく病気です。

食道がんには、扁平上皮がんや腺がんなどがあります。

扁平上皮がんは、食道の粘膜のもっとも内側にある扁平上皮に発生します。

腺がんは、主に食道の下部が発生場所です。

逆流性食道炎によって、食道が胃酸で傷つくことが原因としてあります。


初期には自覚症状がほとんどありません。 飲み込みにくいなどの症状があらわれるのは、がんがある程度大きくなってからです。


食道がんの診断も、同じように胃カメラ検査で行われ、組織を採取し顕微鏡で調べることで確定します。



十二指腸がん

十二指腸がんは、胃と小腸をつなぐ消化管である十二指腸にできるがんです。

小腸がんは年間3000人程度の発症で、珍しい部類に入ります。

十二指腸がんは小腸がんの中ではもっとも頻度が高く、約45%を占めています。


早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行しても症状がない場合もあります。

そのため、早期発見が大切です。


食事が通りにくくなったり、腹痛や吐き気などの消化不良症状があります。

また、出血することによって貧血や黒い便が出たり、黄疸(目や体が黄色くなる)がみられる場合もあります。


十二指腸がんの確定診断も、胃カメラ検査です。 がんと疑われる部分の組織を採取して、顕微鏡で調べて確定診断します。



ポリープ


ポリープとは、粘膜から盛り上がった突起物のことです。

非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープなどがあります。


腫瘍性ポリープは、粘膜の細胞が増殖してできたポリープで、良性と悪性があります。 悪性の腫瘍性ポリープは胃がんや十二指腸がんの前段階となる可能性のあるポリープです。


腫瘍性ポリープは、がんに進行するかもしれません。 そのため、胃カメラ検査で発見された場合は、生検や切除することがあります。


非腫瘍性ポリープは、粘膜の炎症や刺激などによってできたポリープで、がん化する可能性はほとんどありません。

しかし、非腫瘍性ポリープが大きくなると、出血や潰瘍などの合併症を引き起こすことがあります。

そのため、胃カメラ検査で発見された場合は、切除することがあります。



胃ポリープ

胃ポリープとは、胃にできる小さな突起物のことです。

非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープなどがあります。


非腫瘍性ポリープは、ピロリ菌に感染していない胃にできることが多く、ほとんど無症候性です。

通常切除する必要はありませんが、大きくなったり出血する場合は切除することがあります。


腫瘍性ポリープは、ピロリ菌感染や食生活などに関係して胃にできることが多く、自覚症状は殆どありません。

良性と悪性があり、良性の腫瘍性ポリープは、がんに進行する可能性があります。

そのため、胃カメラ検査で発見された場合は、生検や切除することが一般的です。

悪性の腫瘍性ポリープは胃がんの一種です。


胃カメラ検査では、胃の粘膜にできたびらんや隆起などの異常を直接確認ができます。

異常部位から細胞を採取して、生検をすることで詳細な情報を得ます。



十二指腸ポリープ

十二指腸ポリープとは、十二指腸にできる小さな突起物のことです。

非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープなどがあります。


非腫瘍性ポリープは、十二指腸乳頭や十二指腸憩室などにできることが多く、ほとんど無症候性です。

通常切除する必要はありません。 しかし、大きくなったり出血する場合には切除する可能性があります。


腫瘍性ポリープは、十二指腸の粘膜の細胞が増殖してできるポリープです。

良性の腫瘍性ポリープには、腺腫や神経内分泌腫などがあります。

悪性の腫瘍性ポリープは十二指腸がんの一種です。


腫瘍性ポリープは、数割の確率でがんに進行することがあります。

そのため、胃カメラ検査で発見された場合は、生検や切除することが一般的です。


十二指腸ポリープの原因には、ピロリ菌感染や遺伝的な要因があります。

上腹部痛や黄疸などの症状が現れますが、早期に発見することは難しいです。


しかし、胃カメラ検査では、十二指腸もチェックできます。 十二指腸ポリープも初期であれば、胃カメラで治療が可能です。



炎症


炎症とは、細菌やウイルスなどの外来物質に対する免疫反応や自己免疫反応によって起こる組織の反応です。

炎症には、急性炎症と慢性炎症の2種類があります。


急性炎症は、感染や外傷などによって急激に発生する一過性の炎症です。

発赤や腫れや熱感や痛みなどの典型的な症状を引き起こします。


胃カメラ検査では、粘膜が赤くなったり出血していることがわかります。

急性炎症は通常自然に治癒しますが、重篤な場合は抗生物質や消化管保護剤などの治療を行います。


慢性炎症は、長期間にわたって粘膜が炎症を起こす炎症です。

自覚症状が少ないことが多く、定期的な胃カメラ検査で発見されることが一般的です。


胃カメラ検査では、粘膜が萎縮したりヒダが減少したり消失したりしていることがわかります。

慢性炎症は、胃潰瘍や胃がんなどの原因となることがあります。

そのため、除菌治療や食生活の改善など、予防することが重要です。



胃炎

胃炎とは、胃の粘膜が炎症を起こすことで、急性胃炎と慢性胃炎の2種類があります。


急性胃炎は、急激に発生する胃の粘膜の一過性の炎症です。

食中毒やウイルス感染などの感染症、ストレスや薬剤、アルコールやタバコなどの刺激物が原因です。

上腹部の圧迫感や吐き気などの強い自覚症状が現れます。

胃カメラ検査では、胃の粘膜が赤くなったり、出血していることがわかります。


慢性胃炎は、長期間にわたって胃の粘膜が慢性的に炎症を起こす胃の粘膜の障害です。 慢性胃炎には、ピロリ菌感染によるものと非ピロリ菌感染によるもの(自己免疫性や化学的刺激性など)があります。 自覚症状は少ないことが多いため、定期的な胃カメラ検査で発見されることが一般的です。

慢性胃炎は、他の要因と組み合わさることで、胃潰瘍や胃がんの原因となる可能性があります。



逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸や消化液などが食道に逆流して食道の粘膜に炎症やびらんを起こす病気です。

肥満やストレスなどの生活習慣、解剖学的な要因によって引き起こされます。


喉や胸部に焼けるような不快感(胸焼け)、酸っぱいものが口に上がってくる感じがする(呑酸)自覚症状があります。

また、咳や声のかすれなどの非典型的な症状も起こることがあります。

逆流性食道炎は、放置すると食道がんやバレット食道などの合併症を引き起こす可能性があり、早期発見・早期治療が重要です。


内視鏡検査では、食道の粘膜にできたびらんや炎症などの異常を直接確認できます。

また、食道の下部にある括約筋の機能や、胃酸の逆流の程度を測定できます。

検査によって、逆流性食道炎の診断や重症度、合併症の有無を判断することが可能です。



潰瘍


潰瘍は、消化管の粘膜が胃酸や消化液によって侵されて、びらんができる病気です。 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに分類されます。

消化管の潰瘍の原因は、主にヘリコバクター・ピロリという細菌の感染や、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)という薬の使用です。 消化管の潰瘍の診断は、内視鏡検査で粘膜のびらんを確認することで行われます。


胃潰瘍

胃潰瘍とは、胃酸やピロリ菌などによって胃の粘膜が傷つくことで起こる粘膜の障害です。

中年以降の方に発生しやすく、男女ともにありふれた病気です。

胃潰瘍は、上腹部の圧迫感や食欲不振などの自覚症状を引き起こします。

ひどい場合には、胃の壁に穴が開いて腹膜炎を引き起こしたり、出血して吐血したりすることもあります。

胃の粘膜にできたびらんや出血などの異常を直接確認できます。

また、びらん部位から細胞や組織を採取して顕微鏡で調べられます。

これらの検査によって、胃潰瘍かどうかの診断や進行度や合併症の有無を判断ができます。



十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とは、胃酸やピロリ菌などによって十二指腸の粘膜が傷つくことで起こる粘膜の障害です。 若年層から中年層にかけて発生しやすく、男性に多くみられます。

十二指腸潰瘍の症状は、空腹時や夜間に上腹部痛が起こることが特徴です。 ひどい場合には、十二指腸の壁に穴が開いて腹膜炎を引き起こしたり、出血して吐血することもあります。 十二指腸潰瘍は、胃カメラ検査で診断が可能です。 十二指腸の粘膜にできた、びらんや出血などの異常を直接確認できて、びらん部位から細胞や組織を採取して顕微鏡で調べられます。 これによって、診断や進行度、合併症の有無を判断できます。



その他


胃カメラ検査で見つかる病気として、その他に以下のようなものがあります。


  • アニサキス アニサキスという線虫の幼虫が胃の壁に食い付くことで起こる感染症です。 生の魚介類を食べた後に、激しい上腹部痛や嘔吐などの症状が出ます。 胃カメラで虫体を除去することが治療法です。


  • 裂孔ヘルニア 裂孔という横隔膜にある穴から、胃や食道などの臓器が胸腔にずれてしまう状態です。 逆流性食道炎や胸やけなどの症状が出ます。 軽度なら生活改善や薬物治療で対処できますが、重度なら手術が必要です。


  • バレット食道 逆流性食道炎が長期間続くことで、食道の粘膜が胃や腸に似たものに変化する状態です。 食道がんの前癌病変とされています。逆流性食道炎と同じような症状が出ます。


  • カンジダ症 カンジダという真菌が胃や食道に感染することで起こる感染症です。 嚥下障害や胸やけなどの症状が出ます。

胃カメラ検査では、食道の粘膜に白いカビが付着しているか、苔で覆われているような状態として発見されます。 抗真菌薬を服用することが治療法です。


  • 粘膜下腫瘍 胃や食道の粘膜下層にできる良性または悪性の腫瘍です。 多くは無症候性ですが、大きくなると出血や嚥下障害などの症状が出ます。


  • 異所性膵 正常には存在しない場所にある膵臓組織です。 先天的なもので、多くは無症候性です。 まれに潰瘍や出血などの合併症を起こすことがあります。



胃カメラ検査を受けるメリット


胃カメラ検査は、苦痛やリスクが少なく、安全で効果的な検査です。

胃カメラ検査を受けることで、以下のようなメリットがあります。


  • 胃・十二指腸・食道の内部を直接観察できる

  • X線検査では見落とされやすい小さな病変や初期のがんを発見できる

  • 発見した異常をその場で切除したり生検ができる

  • 胃がんやポリープなどの治療効果を確認できる

  • ピロリ菌の有無を検査できる


胃カメラ検査を受けることで、早期発見や早期治療が可能です。 病気の予後や生活の質の改善ができます。

例えば、胃がんは初期段階では自覚症状がほとんどないため、病気に気づかないまま進行してしまいます。 しかし、胃カメラ検査で早期に発見すれば、内視鏡的に切除ができるかもしれません。


また、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染は胃カメラ検査で確認した後、抗生物質などの薬で治療ができます。

これにより、胃炎や胃潰瘍の再発を防げます。




胃カメラを受けた方がいい人


胃カメラ検査は、胃や食道、十二指腸の健康を保つために有用な検査であると言えます。

次にあげるものが、自分にあてはまっていないか確認してみましょう。


  • 40歳以上で定期的な健診を受けていない

  • 胃の不快感や胸焼けなどの症状がある

  • 胃がんや食道がんの家族歴がある

  • 喫煙や飲酒の習慣がある

  • ピロリ菌感染の可能性がある


この条件に当てはまる方は、ぜひ一度胃カメラ検査を受けてみてください。




胃カメラ検査で胃の健康をチェック


胃カメラ検査は、食道、胃、十二指腸の内部を詳しく観察できる検査です。

この検査は、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの病気を発見するのに役立ちます。

胃の病気は早期に発見すれば治療が容易ですが、進行すると重篤な結果になりかねません。


胃カメラ検査を受けることで、病気の早期発見や早期治療が促進されます。 そのため、胃の不快感や痛みなどの症状がある場合や、胃がんのリスク因子(喫煙、飲酒、高塩分食、家族歴など)に該当する場合は、胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

また、胃の健康に配慮した生活習慣の改善や定期的な健診の受診も大切です。 胃カメラ検査で、胃の健康をチェックしましょう。


 


【参考サイト】


胃がんについて|国立がん研究センター


食道がん|[国立がん研究センター


十二指腸がんについて | メディカルノート


胃ポリープについて | メディカルノート


【医師監修】十二指腸ポリープが見つかった!これって悪性?手術するしかない?|medicommi


逆流性食道炎はどのようにして起こるの? 症状やメカニズムについて | メディカルノート


「胃潰瘍」とは?症状・原因・検査・治療方法についても解説!【医師監修】 | メディカルドック


胃潰瘍、十二指腸潰瘍|MEDLEY


アニサキス症とは|NIID国立感染研究所


食道裂孔ヘルニア|兵庫医科大学病院 もっと良く知る!病気ガイド


バレット食道について | メディカルノート


カンジダ症について | メディカルノート


粘膜下腫瘍とは何ですか?|日本消化器内視鏡学会


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